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内容は言わずもがな。
ラインナップは言わずと知れた不動の四名でございます。
ゲストとして、名手Eric Clapton(G、当時Cream、ex-John Mayall & the Bluesbreakers、後にDelek & the Dominos)、Jack Falon(Fiddle)、因縁(笑)のYoko Ono(Vo)他となります。
プロデュースは御馴染み故George Martin卿。
エンジニアは御馴染みGeoff Emerick(制作初期に降板)、Chris Thomas(後にPink Floyd、Roxy Music、Paul McCartney他)、
Ken Scott(後にDavid Bowie、Mahavishnu Orchestra、Billy Cobham、Supertramp、Jeff Beck 、America他)となります。
1963~64年英国ロンドンのアンダーグラウンドで映像とロック音楽の融合等々の現代音楽絡みの実験が始まり、当時無名のPink FloydやSoft Machine等々が参加。
当時The Beatlesは契約の関係上「年二作制作」という異様なスケジュールが組まれており、大傑作と名高い「Rubber Soul」はネタ無しから突貫工事で制作し這う這うの体でリリース。
大成功を収めるものの相当バンドは活動に相当疲弊しており、また自身のアイドル視に辟易していたThe Beatlesの面々は上記のムーヴメントに興味津々。
1965年辺りからその界隈に出入りするようになります。
ライヴ活動停止後、それぞれが単独活動に専念。
そしてその成果を持ち込み「SGT.Pepper"s Lonely Hearts Club Band」、映像制作と絡めた「Magical Mystery Tour」を制作。商業的に大成功を収めます。
大成功により更なる制作・創作の自由とコントロールを得たThe Beatlesが紆余曲折(笑)後に制作に乗りだす.................という経緯がございます。
そして制作中に念願の自主レーベル、因縁(笑)の”Apple”を設立、その第一弾としてリリースされた作品でもございます。
正直、Lennon/McCartney/Harrison/Starrそれぞれのソロ+”The Beatles”という感の作品。
Lennon/McCartney/Harrison/Starrのそれぞれのソロそしてデモ的なアイデアに他の三名が音とアイデアを被せた楽曲にバンド”The Beatles”としての楽曲で構成されており、
前者はThe Beatles解散以降のそれぞれの音楽性を暗示するものの感がございます。
またLennon/McCartney、Harrison、Starrのそれぞれの作曲者名義となっておりますが、Lennon/McCartnyはそれぞれのソロと”The Beatles”の三パターンの感。
実験/ポピュラー性は残るもののケバケバしいサイケ性は皆無。
制作初期のサイケ絡みのスキャンダル等に辟易した事もあるのでしょうか? 地に着いた音楽性となっております。
当時は英国音楽シーンはサイケ/ポピュラー期を超え、ロック音楽の(地に着いた)多様性の時期。それを反映した感のある音楽性でもございます。
”Helter Skelter”はかの”Black Sabbath登場前夜”という感があり、英国ロック音楽シーンの多様性の中心たるアンダーグラウンドとの繋がりが伺えるものでございます。
但し、根本はLennon/McCartneyのメロディアス/ポピュラー指向がミソ。正直ややこしさはないもので、Lennon/McCartneyのメロディアス/ポピュラー且つ親しみ易さが感じられるもの。
アート・ロック~プログレッシヴ・ロック系の難解さはございません(現代音楽系サウンドコラージュ楽曲もございますが、こちらも難解さがないもの)。
録音を含め全体的に凝ってはいるものの基礎は”The Beatles”らしい音楽性ではございますが、ソロ色の強い楽曲はそれぞれのThe Beatles解散後のソロに繋がる音楽性がミソ。
単体としての楽曲の出来が高いもので独立感があるものでございますが、幾分デモ感も伺えるもの。
異色感があり、作品集という感がございます。
かなり音楽性に幅が感じられるもので散漫な感がございますが曲順にて統一感を出す感があり、制作のみならずこれを含めて故George Martin卿の貢献の感がございます。
何を言っても当時のThe Beatlesの影響力は凄まじいもの。大セールスを記録。
ミュージシャンだけでなく、何せ商業的にも大きな影響があるこのバンド。
商業面含め大成功を収め、また「あの”The Beatles”がやってる事だから商売になる!」と音楽ビジネス側が踏んだ感があり、その後のアート/ロック系バンドの台頭を後押しする事となります..............................
当時故John LennonにはかのYoko Onoが新しいパートナーとして存在。
「僕とヨーコは一心同体」と常に行動しており、またアイドル視されたThe Beatlesファンの嫉妬もあり随分な悪評が広がっておりました。
最初はバンド側が庇っていたものの、今作制作中からヨーコが「ステージママ」的な役割(故John Lennonが望んだ感が.....)でバンドに介入する事があり、
「君はThe Beatlesではない!」と他の三名との軋轢が徐々に高まっていく事となります.....................
(「一心同体はベッドの中の話にしてくれ!」って事なのでしょう.........................................)
また、バンドの結束が試されるライヴ活動が皆無という事で今作制作中もバンド全体で顔を合わすという機会が随分と減っており、それぞれが指向する音楽性の摺り合わせが難しくなってきている事が感じられ、
バンド崩壊の危機感を抱いたPaul McCartneyがバンド再建に乗り出していく事となります......................................
そして運命の”Let it Be”セッション.................................
この機会に是非。
注: