所謂一作の拵ではありませんが、小振でセンス良く金具を合わせた非常にバランスのよい拵の仕上がりです。鞘は少し変わった塗りで重ねた漆を敢えて磨くことでグラデーションをつけています。豪華絢爛というよりは下級、中級武士が工夫を凝らしたような好感の持てる合わせ方。縁頭も揃いでないながら見事に調和しています。 鍔は変わった合わせ金と象嵌を合わせた見事な色揚げの赤銅鍔 特に見ていただきたいのが目貫で、軍配、芭蕉扇、唐扇系統の図柄と思われますが、拡大写真のように七子が菱形に非常に細かく撒かれています。ぱっと見ではわからない凄まじい仕事です。目貫のみ外したくなるほど珍しく貴重な品物です。 小柄は渋い普及品で済ますなど、全体的なバランスが非常に優れた拵です。正絹下緒付き 納まる短刀は土佐吉光 かなり研ぎべりしていますが刃マチも残り、実用的な鎧通しの姿を示しています。 刃長 約20.5センチ 六寸七分七厘 反り なし 目釘孔 達磨ニ孔 元幅 約17.2ミリ 先幅 約12.2ミリ 元重 約7.9ミリ 先重 約5.2ミリ 貴重刀剣 土佐吉光 研ぎべり、擦れ傷ありますが、目立つ刃溢れや刃切はありません。



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